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タグ・ホイヤー フォーミュラ1は彼の青春時代の時計である。

今日発表されたタグ・ホイヤー フォーミュラ1 KITHエディションだ。これがまあ一種の、我々が待ち望んでいたF1である。すぐに分かるかと思うが、このリリースは過去に忠実で、ロニー氏らしい、そしてキースらしいひねりが加えられている。

今回の発表に先立ってロニー氏と話をする機会があり、新リリースに関する彼の見解を聞くことができた。予想どおり、このプロジェクトは非常に個人的なものであった。「僕が初めて手に入れた時計は、1995年に母から贈られた28mm版のF1だったよ」とファイグ氏。「次に手に入れたのは1997年で、それは赤いケースとシルバーのバンドが付いた35mmの時計だった。それを自身の最初の本物の時計と考えていて、10代のあいだずっとそれを使っていたよ」と彼は言った。そして彼は最後に、「13歳から18歳までのあいだに好きになったものは、残りの人生でもずっと好きになるものだ」と、心打つ言葉で締めくくった。

タグ・ホイヤースーパーコピー代引き優良サイトとキスの)共有リファレンスである、スティールとブラックベゼルのフォーミュラ1。

そこでファイグ氏とタグ・ホイヤーは、近年自然にリバイバルしてきた時計を復活させるプロジェクトに乗り出し、多くの友人たちが最高のコンディションのヴィンテージを探し求めていたこの時計を見つけた(ダイムピースとカム・ウルフはそう見ている、という意味だ)。ファイグ氏はこれらの時計を開発する際に、明確なビジョンを持っていた。「僕の最初の時計となった腕時計に携わることは、90年代から知られているものを完全復刻させるための素晴らしいストーリーになると思った」とファイグ氏は述べた。「その時代に大きな影響を与えた文化的アイコンについて、物語を伝えたかったんだ」

冒頭で述べたように、これらは完全な再現でありながら、そうではない部分もある。では細かい部分を少し掘り下げて、どう取り組んでいるのかを見てみよう。今日発売される時計は合計10本で、色や素材の組み合わせが多岐にわたり、90年代のF1の雰囲気をほうふつとさせる。この時計がタグ・ホイヤーというブランドにとってどれほど重要なのか指摘することが大切だ。というのも、フォーミュラ1シリーズは1986年に発表され、タグ・ホイヤーのブランドを冠した最初の時計となったからである(80年代に買収されたあと、ホイヤーとは一線を画した)。

我々の会話のなかで、ファイグ氏は今回のリリースに向けて彼の中での完璧な復刻の定義をより明確にしてくれた。「僕たちが一緒になってデザインを始めたとき、レトロなカラーウェイを完璧に復刻させることはしなかった」と彼は述べた。「キスの店舗がある都市を基にデザインしたから、とてもクールな方法でそれを実現できたよ。つまり、美的感覚もサイズも忠実に復刻しているんだ」

多くのブランドが37mmや36mmの時計を女性用としてマーケティングしていると考えると、35mmで忠実に復刻されたこの時計には驚かされる。いろんな意味で大胆な試みだ。これをムーンスウォッチと比較する前に知っておいて欲しいのは、新しいF1モデルは1本19万2500円(税込)というよりプレミアムなものであり、コレクションコミュニティからの強い懐古への憧れを受けて、過去に真剣に焦点を当てたブランドを代表するものである。

ブルーのタグ・ホイヤー限定モデル。

そのプレミアム価格はいくつかの形で表れている。ひとつは、より堅牢なラバー素材を使用したストラップ。次に3、40年前に使用されていたものよりもはるかに強力なプラスチック材料である、アーナイト®の使用だ。さらに時計にはサファイアガラスが使われている。最も興味深いのは、色や素材の組み合わせに関係なく、まったく同じ価格で購入できることだ。私自身、兄が子どものころに持っていたような、フルSSのブレスレットモデルが気になった。彼はそれをどこかでなくしてしまった。…私は彼を許していない。

10本の時計は、タグ・ホイヤー独自のリファレンス、キスの店舗を代表するリファレンス、そして両ブランド共通の単一リファレンスの3つのカテゴリーに分類される。共有されるリファレンスは、そのブラックベゼルが付いた全SSモデルのなかで最もオーソドックスな外観をしているため、容易に識別できる。タグ・ホイヤーのモデルは、それぞれグリーンとブルーでDLCコーティングされたSSケースを持ち、それと揃いのラバーストラップが付いている2本の時計で展開される。

それから、ベゼルにグラデーションの数字が入ったブラックはニューヨーク、フルレッドは東京、クリーミーなホワイトはマイアミ、イエローはトロント、色とりどりの奇抜なバリエーションはハワイ、SSのグリーンベゼルはパリ、SSのブルーベゼルはロサンゼルスを表しており、これらはキスだけの限定モデルとして販売される。

人それぞれ好きなものがあるだろう。遠くから見ると、我々が若いころに愛用していたF1ウォッチとほとんど同じに見える。ただよく見ると、ロゴに大きな変更が加えられていることがわかる。代わりに現在は“Kith Heuer”となっている。ブランドの新CEOであるジュリアン・トルナーレ(Julien Tornare)氏に、この件について尋ねた。大手時計ブランドが自社のロゴを変更することは、決して小さなことではないからだ。

“タグ・ホイヤーはアヴァンギャルドな技術という意味のTechniques d’Avant Gardeの略です”とトルナーレ氏は述べた。“私たちのやり方が前衛的でなければ、ブランドのDNAを壊してしまいます”。いままでそうしてきたとしても強気な発言である。

この時計もそうだ。多くの人々にとって感情的に重要な時計を見事に復活させ、このような意味のあるデザインシフトを行うには、かなりの勇気が必要である。しかし、それは理にかなっている。これらは限定モデルであり、タグ・ホイヤーのF1の歴史と同じくらい、最近のキスにはブランドとの親和性がある。ファイグ氏が(6時位置の)“Just Us”というダイヤルテキストのように、ちょっとした工夫を加えることに抵抗を感じなかったのはこのためだ。どのモデルにも、それが表す都市や、“Kith and Kin”というテキストなど、特別なエングレービングが施される。

これらの限定モデルは多岐にわたるので触れておこう。ラバーシティエディションはそれぞれ250本限定、SSシティエディションはそれぞれ350本限定。ブラックDLCコーティングのケースを備えたブルーとグリーンのタグ・ホイヤー限定モデルは、各825本限定である。ブラックベゼル、SSケース、SSブレスレット(私のお気に入り)を備えた共有リファレンスは、幸運にも1350本限定と、最も豊富に生産される。なお10本すべての時計が入ったプレゼンテーションボックスを購入することも可能だ。私はこのボックスをジュネーブで見たが、全部が一緒になっているのを見るのはとても壮観だった。しかしもちろん、それには代償が伴う。ボックスは75セット限定で、価格は1万8000スイスフラン(日本円で約308万7000円)だ。アメリカ(および日本)での最終的な価格についてはまだ決定しておらず、決定次第記事を更新する。

それぞれの時計にはアーナイト®製ベゼルとクォーツムーブメントが搭載されている。どの時計にも独自の輝きとストーリーがあり、残りの美観的なディテールは自身で決める部分だ。例えば、東京のレッドシティエディションは、日本人F1ドライバー片山右京氏とのパートナーシップのもと、80年代に開発された珍しいモデルにちなんでいる。私はこのモデルがとても気に入っているが、それとは別にクリーミーなマイアミエディションもかなり引かれた。全体的に、どのリファレンスも着用したいと思うような感触と装着感があった。それはまるで思い出を追体験しているかのようだ。しかし、ヴィンテージを感じられる手首の感触のひとつひとつに、素材のアップグレードの実感も感じられる。これらはオールドスクールでありながら、堅牢であると同時に新鮮さもある。これは、私が真に評価する完璧な復刻のうちのひとつだ。

本日、これらの時計が発表され、一連の発売が始まる。まず、5月3日にマイアミのタグ・ホイヤーブティックで発売され、5月6日に世界各地で発売される。キスモデルがあなたにどう語りかけるかどうかは別として、タグ・ホイヤーとロニー・ファイグ氏が協力してこのような製品を生み出した事実は素晴らしいことである。F1シリーズの明るい未来を物語っていると思わざるを得ないし、私はそれを楽しみにしている。ただその前に、どれが一番好きなモデルか、ぜひ教えてほしい。

タグ・ホイヤー フォーミュラ1 KITH。ステンレススティールケース、35mm径×9.45mm厚(ラグからラグまで40mm)、12時位置に“Kith & Kin”のエングレービング。クォーツムーブメント搭載。アーナイト®製ベゼル。パリとロサンゼルスの限定モデルはSS製ケースと5連ブレスレット。ブルーとグリーンのタグ・ホイヤー限定モデルはDLCコーティングを施したSS製ケース、遊環にキース・ホイヤーのロゴを配したラバーストラップ。ラバーストラップのシティエディションは、アーナイト®ケースとベゼル、遊環にキース・ホイヤーのロゴ。ラバーシティエディションは各250本限定、SSシティエディションは各350本限定。ブルーとグリーンのタグ・ホイヤー限定モデルは、ブラックDLCコーティングのSS製ケースを備え、各825本限定。ブラックベゼル、SS製ケース、SS製ブレスレットの共有リファレンス(私のお気に入り)は、幸運にも1350本と豊富に生産。ボックスは75セット限定。5月6日全世界発売。価格はすべて19万2500円(税込)

ジャガー・ルクルト コンプリケーションコレクションのデュオメトルに3本の新作情報です。

ひとつの脱進機、ふたつの香箱と輪列、そして3本の新しいデュオメトル。

ジャガー・ルクルトの新しいデュオメトル・クロノグラフ・ムーンのようなプレスリリースを目にすると、本能的にル・サンティエまでハイキングをして、“ただの良質なスティール製のレベルソをくれ、私たちが欲しいのはレベルソだけだ!”と叫びたくなる。だが深呼吸をして、レベルソを何度かひっくり返して不安を和らげ、ジャガー・ルクルトに対してただシンプルで美しくデザインされた時計だけを要求すると、偉大な歴史的時計メーカーのひとつを誤解していることを思い出す。

JLCは2007年に最初のデュオメトルを発表。ジャガー・ルクルトスーパーコピー代引き優良サイトその際、独立したツインバレルとゼンマイがそれぞれ計時と機能を駆動し、それらを単一のキャリバーと脱進機に統合するという革新的なアイデアを披露した。これはコンプリケーション、特にクロノグラフを備えた時計を悩ませる問題(コンプリケーションは動力を消費し、精度とパワーリザーブを低下させる)への解決策である。JLCは、2007年にこのデュオメトルのアイデアをクロノグラフに初めて採用し、以降トゥールビヨン、ムーンフェイズ、さらにはソヌリにも同技術を採用している。

デュオメトル・クロノグラフ・ムーンのピンクゴールドモデルとプラチナモデル。

2024年、ジャガー・ルクルトはクロノグラフ、ムーンフェイズ、デイナイト表示、そしてクロノグラフ作動時に作動する6時位置のフライングセコンド(秒針駆動)を組み合わせ、6分の1秒の精度を実現した。デュオメトル・クロノグラフ・ムーンには、内外ともに多くの要素が盛り込まれている。JLCはオパライン文字盤のRGバージョン(税込1161万6000円)とコッパー文字盤のプラチナバージョン(税込1425万6000円)を用意した。

まずはムーブメントについて説明しよう。搭載されるCal.391は、前世代のデュオメトルキャリバーをベースにしたものだ。ひとつのリューズを介してツインバレルが巻きあがるのだが、一方向に回すとひとつのバレルが、もう一方の方向に回すともうひとつのバレルが巻き上がり、巻き過ぎを防ぐためのラチェットシステムが作動する。JLCのデュオメトルムーブメントはもともと、ニッケルシルバー(一般的にはジャーマンシルバーと呼ばれている)で作られていた。これは銅を含む合金で、経年変化とともに温かみのある光沢を放つ。それだけでなく加工が困難であるため、ランゲのようなブランドが使うと愛好家は熱狂するのだ。ただ残念なことに、JLCは今回の新Cal.391でニッケルシルバーの使用を中止した。

それでも、この新ムーブメントは印象的かつ複雑な技術的偉業である。ダイヤルは同じように複雑に見えるが、かなり直感的に時刻がわかる。左側には時間が表示され、サブダイヤルの中央には新しいデイナイト表示がある。右側にはクロノグラフの機能を備え、12時間積算計と60分積算計、ムーンフェイズがある。クロノグラフ秒針は文字盤を横切り、2時位置のモノプッシャーで操作される。さらに6時位置のフライングセコンドは、クロノグラフを作動させるとすぐに速く動き、各バレルのふたつのパワーリザーブインジケーターのあいだに配置される。

コッパー文字盤のプラチナモデル。

JLCはケースを作り直し、サイズは42.5mm径×14.2mm厚になった。大きいが、つけられないほどではない。JLCによると、1800年に製造された古いサヴォネット懐中時計からインスピレーションを得たという。サヴォネット(Savonette)とはフランス語で、手のひらに収まる丸みを帯びた小さな円盤状の石鹸のことである(次にホリデイ・イン エクスプレスに宿泊するときにこれを試してみて!)。

ケース表面はポリッシュ、サテン、ブラスト仕上げが混在している。最も注目すべきは、ラグがミドルケースと一体化されているのではなく、溶接されていることだ。これは現在では多くのメーカーが採用していない、旧式のケース構造である。グラスボックスクリスタルは薄いベゼルにシームレスに統合され、ダイヤルも風貌の形状に合わせてカーブしている。

どうだろう、この毛むくじゃらの手首にはタンク ミニのほうが似合うかな?

新しいケースは、特に大きく複雑な時計の場合でも手首にしっかりとフィット。ラグは手首に沿うようにカーブし、文字盤と風防の形状にマッチする。また作り直されたケースは以前ほど厚みを感じさせないため、手首につけたときの厚みが少なく感じられる。

デュオメトル・クロノグラフ・ムーンはPGケースとオパライン文字盤、またはコッパーサーモン文字盤のプラチナケースで展開(両者では針の処理も異なる)。プラチナバージョンは特に際立っているが、もちろんプレミアムも伴う。手首にはずっしりと感じられるが特段重量があるわけではなく、アリゲーターストラップでも快適に着用できる。ピンバックルで提供されるが、この手の時計はデプロワイヤントがふさわしいような気がする。

オパライン文字盤のPGモデル。

新しいデュオメトル・クロノグラフ・ムーンとともに、JLCは既存のCal.381を使用したカンティエーム・ルネールの新しいスティールバージョンも発表した。これはSS製として初のデュオメトルであり、クロノグラフ・ムーンと同様に、アップデートされたデュオメトルケースを採用している。最新のデュオメトルほど複雑ではないが、クロノグラフを作動させて6時位置のフドロワイヤント秒針が動き出せば、忘れてしまうのも無理はない。この記事の冒頭で書いた私のように、JLCのような時計メーカーであっても、シンプルなSSを求める人たちへの平和の象徴のように感じられる。価格は655万6000円(税込)だ。

最後に、ジャガー・ルクルトは限定モデルのデュオメトル・ヘリオトゥールビヨン・パーペチュアルもリリースした。デュオメトルの最新ラインナップのスーパーカーであり、パーペチュアルカレンダーと3軸で回転するトゥールビヨンを装備している。新しい手巻きCal.388はビッグデイトを特徴とし、部分的にオープンワークしたダイヤルで回転するトゥールビヨンを示している。この技術的に巨大な時計の複雑さと相対的な装着性を見て、デュオメトルラインナップ全体だけでなく、JLCが時計製造に対して持続的に取り組む姿勢も改めて評価するようになった。価格は43万8000ドル(日本円で約6788万3000円)で、世界限定20本だ。

けれど、私はやはりジャガー・ルクルトのレベルソとポラリスが欲しいのだ。ただジャガー・ルクルトは、ウォッチメイキングのスケールを押し広げ続ける数少ないグループブランドのひとつでもある。私が好きなJLCの時計は、伝統と高級時計製造のバランスが取れているものだ(昨年のレベルソ・クロノグラフのようなもの)。デュオメトルは明らかに高級時計に偏っているが、JLCの技術的なウォッチメイキングを追求し続ける姿勢は印象的だ。

クラシック・ムーンは、Watches&Wondersで見たなかでもっとも魅力的な時計のひとつだ。

直径40mm×厚さ12.9mmのステンレススティール製、または18Kローズゴールド製ケースで展開されるこの時計は、アントワーヌ・ゲルラッハ(Antoine Gerlach)がパテックのために製作した時計に見られるような長いラグのおかげで手首に対して小さく見える。しかし、ヴィシェ(Vichet)製のRef.2499のラグのように角ばった特徴的な形状や、急激な傾斜はない。その代わりに、ラグは非常に洗練された滑らかなラインを持ち、ケースのその他の部分のフォルムにならったものとなっている。このデザインについては、またのちほど。スティール製のモデルでは、グレーブルーオパーリン文字盤に白色ペイントの針、ローズゴールド製のモデルでは縦にサテン仕上げを施したシルバー文字盤が用意されている。

ウブロスーパーコピー代引き優良サイト文字盤レイアウトは年次カレンダー Ref.5396よりもシンプルだが、このカレンダー部分は前述したヴィンテージパテックの永久カレンダーとは異なるアプローチがなされている。時計の文字盤上部には曜日と月を示す開口部があり、さらに6時位置には北半球と南半球をダブルで表示する夜光ムーンフェイズを備えている。そのムーンフェイズの中央には、スモールセコンドのやや大ぶりなサブダイヤルを追いかける針がある。この時計はまた、ケースの縁にデイト表示のトラックと、それを指し示すセンターポインターも備えている。これらはすべて、AR(反射防止)コーティングを施していないドーム型サファイアの下に収められているが、これは文字盤からの反射光を楽しむための意図的な選択である。

今作はブランド初のムーンフェイズ搭載モデルであり、サブダイヤルにはムラーノ島の職人が製作したアベンチュリンガラスが使用され、手作業でホワイトペイントを施した月と星のモチーフがエングレービングされている。このエングレービング部にはスーパールミノバが手作業で塗布されており、月のクレーターもまた手作業で彫り込まれている。そのサブダイヤルはペトロールブルーエナメルの半透明のディスクで覆われ、モダンなタッチを感じさせる。シルバー文字盤に施された縦方向のサテン仕上げも、とても現代的だ。

面取りされた窓と転写プリントのローマンインデックス、ペトロールブルーのシュマン・ド・フェールのミニッツトラック、そしてアセガイ(投げ槍)型のルテニウム針、またはペイントされた白い針が、この時計をクラシックウォッチの系譜に回帰させている。ローマ数字はクラシカルな柱時計を連想させるが、私がこの時計をデザインした場合でもこのインデックスを選んだだろうと思う。そういった点がまさに人々のノスタルジーを刺激したのだと思うし、スマートフォンで撮影した時計の写真を投稿した結果、私のInstagramにはたくさんのメッセージが届いた。

この新作は、サファイアクリスタルのケースバックから見えるように手巻きのCal.LF126.02を搭載している。この最新ムーブメントは、年次カレンダーを搭載した既存のLF126.01をベースとしながら、80時間のパワーリザーブを誇る。全266個の部品のうち、30個が新たに追加されたもので、20個が改良と最適化が施された。ムーブメントにはパワーリザーブインジケーターと、ローラン・フェリエの手巻きムーブメントに見られる長い刃状のラチェット爪を備えている。年次カレンダーのため30日と31日の月は自動的に修正されるが、2月は調整を必要とする。

Cal.LF126.02にはポリッシュがかかったビシャン仕上げが施され、プレートにはロジウム加工のコート・ド・ジュネーブ装飾があしらわれている。そして、メインプレートにはサーキュラーそしてメインプレートにはサーキュラーグレイン仕上げが見られる。ムーブメントの内角の数を数えるのがお好きなら、少しガッカリするかもしれない。ローラン・フェリエの大型でふっくらとしたプレートは手作業で面取りされ、ポリッシュされたエッジと内角を備えてはいるが、その数自体は少ない。ムーブメントのビス頭はそれぞれこのようなスタイルで仕上げられているが、開放的なデザインのムーブメントほど魅惑的ではないことが多い。しかし、これはローラン・フェリエのDNAの一部であり、すでに私にとってはなじみ深いものとなっている。

クラシック・ムーンに対して、必ずしもすべてを推せるわけではない。その理由の一端は、“クラシック”なケース形状にある。もし少しでも変えたいと思う箇所がある場合、果たしてその製品を気に入ることができるだろうか? ローラン・フェリエの“クラシック”デザインに共通するのは、ベゼルをはじめ、球状で大きめのリューズ(年次カレンダーの日付と時刻を合わせ、同時にアジャスターでムーンフェイズを合わせる)に至るまでの、なだらかで傾斜のある形状である。これに似たデザインの19世紀の懐中時計のフォルムが、この“ペブル”ケースにインスピレーションを与えている。

パテック Ref.3448のベゼルとダイヤルの比率を彷彿とさせる大きめのベゼルを備えた、実にエレガントでクラシックなフォルムだ。しかし、Ref.3448の優れた点のひとつは、ケースの角ばった部分にある。ラインは明確だが、力強い。この時計は、何十年にもわたって使い込まれ、磨き上げられてきたように見える。人によってはそれが魅力的なのかもしれないが、私としてはもっと力強い何かを求めてしまう。

だからといって、この時計をすすめるのをためらったり止めたりはしない。というのも、手首にはめたときの見た目と感触が本当に素晴らしかったのだ。グレーブルーオパーリン文字盤は、断然私の好みだ(ベンが好んで言うところの “人生において貴金属が似合うステージ” にはまだ、到達していないのかもしれない)。ブルーの文字盤はより精悍で、この時計に多様性を与えている。特にホワイトメタルなので、ドレスアップもドレスダウンも可能だ。

文字盤の仕上げは軽くグレイン加工が施されたモダンなものだが、サテン仕上げのシルバーよりも少しクラシックな印象であり、ホワイトのインデックスはやや太めの仕上がりではっきりとした印象ではない。しかしホワイトと力強いブルーの組み合わせは、カジュアルで楽しい。開口部に白色の表示を使用することは、視認性を高めるという意味で、このケースでは理にかなっている。

ブルーの文字盤を選ぶというのは、おそらく1本でいろいろな役割をこなせる時計を探しているときの選択だろう。もしこのふたつからどちらかを選ぶとしたら、私はブルーを手にする。ほとんどの買い手がローズゴールドのケースに引かれるのは、コレクションのなかで特別な位置を埋めることを求めるからだ。スティール製で1309万円(税込)、ローズゴールドで1496万円(税込)と、この時計は高価な部類に入る。パテック Ref.5396Gの1060万円(税込)と比べると、この独立系時計メーカーからゴールドケースの年次カレンダーを手に入れるには、約400万円程度のプレミアムを支払うことになる。しかし、そのデザインが持つ魅力は、コレクターを魅了するには十分だろう。

ローラン・フェリエ クラシック・ムーン。Ref.LCF039.R5.G3N、Ref.LCF039.AC.C1WC。直径40mm、厚さ12.9mmのSS製または18KRG製ケース。30m防水。グレーブルーのオパーリン仕上げ、または縦方向にサテン仕上げを施したシルバーダイヤル。アセガイ型のホワイト塗装またはルテニウム処理の針。時・分表示、スモールセコンド、ムーンフェイズ付き年次カレンダー、ダイヤル端に日付表示。手巻きのCal.LF126.02、リューズで設定(ムーンフェイズは2カ所のボタンで設定)、2万1600振動/時(3Hz)、パワーリザーブ80時間。ダークグレーのヌバックレザーまたはブラウンカーフの手縫いストラップ、同色系のアルカンターラの裏地、ケースメタルに合わせたピンバックル。価格は1309万円( SS)、1496万円(RG)ともに税込。

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